今日のひとことWeb版

SFDC、破竹の勢い

2011/05/30 15:26

 このところ、セールスフォース・ドットコム(SFDC)の話題があちらこちらで出てきます。トヨタ自動車と提携したり、トヨタのクラウドプラットフォーム開発を管理するサービス基盤やRuby開発の施設に大規模投資を行ったり、破竹の勢いといっていいでしょう。実は、トヨタ自動車との提携については、兆候がありました。SFDC日本法人が、大量にテレマティクス関係の人員を集めていたのです。

 日本に拠点を構えた当時は、「SaaSって何?」という感じで、SFDCに脅威を抱く日本のITベンダーは少なかった印象があります。日本市場には盤石な流通網があり、「SaaSで売れるはずがない」と、たかをくくっていたのです。ところがどうでしょう。SFDCのCRM(顧客情報管理)もSFA(営業支援システム)も、国内メジャー企業が次々と導入していきました。

 いまのSFDCから、当時の姿を思い起こすことはできません。事務所が東京・恵比寿から六本木ヒルズに移ったからではありません。当時のSaaSサービスを提供するベンダーから、いまは基盤を提供し、その利用量で儲ける会社になっているからです。いま、独立系ソフトベンダー(ISV)が、この基盤の上で自社パッケージをSaaS化しています。こうした地道な活動があって、はじめて表舞台が栄えるのです。(谷畑良胤)

【記事はこちら】
米セールスフォース、日本への投資を拡大、「Cloud 2」の拡大を目指す
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2011.5.30」より
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