クラウドサービスをモバイルで活用しながら最低限の事業を継続することが可能――。『週刊BCN』の「視点」筆者である八子知礼氏は、こう指摘しています。

　東日本大震災では、多くの企業でシステムが倒壊しました。仙台市内の停電は2日程度でしたが、3月という期末の時期にシステムが止まることで、事業継続に向けて大変な作業があったと聞きました。

　サーバーがストップし、パソコンも壊れてインターネットが途絶える。会社に行かなければ、社内のリレーションができない……。社内にシステムを置いていると災害時に大きな停滞が生じ、この間に不渡りでも出せば、万事休す――。

　このようなことが起こらないようにするのが、「モバイルクラウド」という考え方です。震災時には、3G回線のソーシャルネットワークが安否確認などで威力を発揮しました。企業の業務システムも同じです。スマートフォンやタブレット端末があれば、少しずつでも事業継続に向けた取り組みができます。単にモバイルクラウドを導入するだけでなく、日々の訓練も必要ですが。（谷畑良胤）

【記事はこちら】
震災後、ニーズ高まるモバイルクラウド　デロイトトーマツコンサルティング　パートナー　八子知礼