旅の蜃気楼

経営者のおしゃべりには色がある

2011/03/03 15:38

週刊BCN 2011年02月28日vol.1372掲載

【内神田発】経営者は、おしなべて“おしゃべり”だということが分かった。年明けから、多くの経営者と面談した。1月13日には、12回目となる「BCN AWARD 2011」の授賞式を開催した。当日にもお会いしたが、その翌日から受賞企業の経営者に会うため、東名阪札幌に出かけた。受賞企業は51社。5週間でほぼ皆さんにお会いした。

▼おかげさまで、株式会社BCNは今年8月18日に、創業30周年を迎えることになり、年初にこの先30年に向けた企業ビジョンを掲げた。「BCNは“ものづくりの環”を支え、育むメディア企業です。中国に土俵を拡げよう、今がその時だ。大手企業はすでに大海原に船を漕ぎ出している。今から、47都道府県の企業で覚悟のできた順番に、中国に点在する東京もしくは東京規模を超える都市に踏み出そうではないか」という内容だ。

▼企業の顔はさまざまだ。商品、ブランド、サービスなどなど。が、突き詰めれば経営者に行き着く。経営者はおしゃべりとはいっても、切れ目なくしゃべっているわけではない。自分の出番になると、堰を切ったように、言葉が飛び出してくる。ビジョンであったり、理念であったり、事業計画であったりするが、経営者の語る文脈から言葉を削いでいくと、底辺に流れている、その人の意(おもい)がみえてくる。色に喩えると、赤であったり、青であったり、黄色であったりする。色が鮮明な人ほど、強さをもっている。

▼札幌の大通公園は先週まで雪祭りで賑わっていた。初音ミクのクリプトン・フューチャー・メディアを訪ねたのは芸術作品を解体した後で、札幌がいちばん静かな時だという。BCN AWARDの受賞51社中、最も年齢の若い経営者が伊藤博之さん(46歳)だ。今年の経営者は皆さんが鮮明な色を整えておられた。心強く感じた。(BCN社長・奥田喜久男)

受賞企業中、いちばん若い経営者・伊藤博之さんにトロフィーを手渡した(札幌にて)
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