北斗七星

北斗七星 2011年2月14日付 Vol.1370

2011/02/17 15:38

週刊BCN 2011年02月14日vol.1370掲載

▼「感動した!」。当時の小泉純一郎首相が、優勝した貴乃花に内閣総理大臣杯を授与するシーンで投げかけた言葉だ。このひと言のおかげで、歴史的な死闘が繰り広げられた場所として国民の心に残った。前日の武双山戦で右ひざを亜脱臼した貴乃花が優勝決定戦で勝ったわけだが、こうした大一番に“手ほどき”はなかったと信じたい。

▼昔は、校庭に土俵を置く学校があった。今でも、有力力士の出身地域では立派な土俵で子どもたちが相撲に精を出す姿が見られる。教育の一環として「心・技・体」を鍛える武道として相撲は尊ばれた。その頂点が大相撲で、手本のはずだ。

▼大相撲の「八百長疑惑」を報じる週刊誌は以前からあった。こうした記事に同調する相撲ファンは少なかったはず。しかし、真剣勝負の“期待”は見事に裏切られた。真実を暴き出したのは携帯電話のメール。賭博や八百長を防ぎたいのなら、彼らが使うIT機器を一元管理してはどうか。

▼携帯メールへのアクセス履歴やログは、簡単に調べ上げられる。これを機会に膿を出し切り、大相撲が健全な国民スポーツとして復活するまでは、こうした対策も必要だ。(吾)
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