▼たっぷりと脂の乗った「ブリ」。高価な魚だが、今冬の日本列島は記録的な豊漁に沸く。店頭価格は15センチ厚ほどの切り身3枚で380円程度。数か月前に比べて15％以上も安価だ。「これはお得」と、ブリ大根を夕食に仕立てた。だが、大根が高くなっていて、トータルでは、ブリが安くなった分が帳消しだ。それでも、ブリの消費量は増えるだろう。

▼埼玉県内の某ファミリーレストラン。この店は、親子で来れば「ドリンクバー」が無料だ。県の「ワーク・ライフ・バランス事業」の一環で補助金が出る。普段、午後3時ごろといえば人がひく時間帯。無料の効果かどうかは分からないが、待合場所にファミリー客が途切れず来ていた。店長は、「支援事業が終わったあとも、再度来店してもらえるようおもてなしする」と、気を引き締める。

▼どんなビジネスにも、期せずして、需要拡大の好機が訪れる。今、IT業界ではクラウドだろう。だが、SaaS型ソフトにたとえると、5年以上使い続ければパッケージのほうが安い場合がある。ITベンダーは、顧客に選択肢を与える提案ができなければ、満足が得られないことになりかねないので、注意が必要だ。（吾）