旅の蜃気楼
2011年、屈辱をバネに飛び出そう
2011/01/27 15:38
週刊BCN 2011年01月24日vol.1367掲載
▼人の顔は正直だ。楽しい時は明るい顔になる。今年は、会う人の顔が共通して明るい。企業の投資も積極的だ。世界に向けて、日本企業の意思を伝え始めた。日立製作所は研究開発体制を25年ぶりに刷新する。海外の研究開発人員を現在の約150人から2012年度中に300人以上に倍増して、国内の研究所を8拠点から3拠点に再編。原子力発電、鉄道などの社会インフラ分野とITに関連した分野に研究資源を集中して、技術開発を加速させる、と宣言した。キヤノンは2015年に売上高5兆円、純利益率10%以上、自己資本比率75%を目指す。NTTデータは世界市場のソリューション開発に応えるため、海外企業を買収して世界30か国、128都市、約2万1000名体制のシームレスでグローバルな体制をつくり上げた。
▼韓国は元気だ。その活力の源を探ってみる。冬のソナタに代表される韓流ブームは2000年頃だった。韓流ブームの後にはサムスンの成長神話が列島を駆け巡った。昨年、ギャラクシーを発売し、今年は韓流IT商品が台頭する兆しがみえる。だが、この国も通貨危機の洗礼を受けている。「韓国、IMF」でググってみると、田中宇氏が書いた1997年12月10日の記事が出てくる。見出しは「韓国の威信を傷つけた経済進駐軍IMF」だ。これは屈辱的だ。ここ数年、日本の企業も似たような経験をした。跳ね返そう。屈辱のバネは十分に強いはずだ。(BCN社長・奥田喜久男)
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