BOOK REVIEW

<BOOK REVIEW>『松下幸之助 成功の金言365』

2011/01/27 15:27

週刊BCN 2011年01月24日vol.1367掲載

 経営の神様・幸之助はん(関西では親しみを込めてこう呼ぶ)の金言がてんこ盛りの本である。

 365、つまり一日に1項目ずつで、一年分が詰まっている。章立てもそういう読み方ができるように、1月「運命を生かす」から始まって12月「道を切りひらく」までに区分されており、例えば、1月1日は「成功」、1月2日「自分の意志」…1月31日「一人がめざめる」というふうに、日記(暦)ふうに構成されている。1ページ1項目の読みきりなので、読み手は自分が置かれている状況に応じて、気になる項目を選んで玩味することができる。

 幸之助はんの頃とは時代が違う? いやいやそんなことはないはずだ。本書の前書きにあるように、「どうやらほんとうに大切なこと、必要な考え方というのは、いつの時代にも不変に存在するようです。それを自分なりに考え、自分なりに反芻し、自分なりの答えを出していくことが、成功の道を切りひらいていくための“鍵”になるのではないか」と思える。

 内容のごく一部を抜粋してみよう。

 「三年も儲かったら、その明けの年も儲かるかというと、なかなかそうは儲かるものじゃない。三年儲かったから、その一年分を返す。こういう考えでやるとよろしい。その肚ができておれば、この際なにも驚く必要はない」(「9月1日 一年分返す覚悟」より)

 経営層はもとより、ビジネスパーソンが指針を得るのに好適の書である。(止水)


『松下幸之助 成功の金言365』
松下幸之助 著 PHP研究所刊(1800円+税)
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