いまさら聞けないキーワード
<いまさら聞けないキーワード>ISV(アイ・エス・ブイ)
2011/01/20 15:26
週刊BCN 2011年01月17日vol.1366掲載
「Independent Software Vendor」の略で、日本語では「独立系ソフト開発会社」と訳される。独立系とは「特定のコンピュータメーカーに依存しない」という意味で、他社の力に左右されることなく、自社の判断でパッケージソフトを開発するメーカーを「ISV」と呼ぶ。同様の意味のハードメーカーは「IHV(Independent Hardware Vendor」といわれる。ちなみに、対比した意味で、コンピュータメーカーのソフト開発子会社など、特定のメーカーと関係が深いソフトメーカーを「Dependent Software Vendor」とは呼ばない。
ISVは、サーバーメーカーとOS・ミドルウェア(プラットフォームソフト)メーカーにとって、実は重要な役割を果たす存在だ。
情報システムは、基本的にサーバーというハードウェアのなかの根幹にOSがあり、ミドルウェアが乗っかり、その上でアプリケーションソフト(ISVがもつソフト)が動く。ユーザー企業はサーバーやプラットフォームソフトが欲しいわけではなく、アプリケーションを求めるのが一般的。サーバーやプラットフォームソフトにこだわりをもたないユーザー企業が多い。そうなれば、サーバー、プラットフォームソフトメーカーにとって、シェアが高く人気のアプリケーションを自社製品上で動作可能にしてもらうことが、製品を販売するうえで重要な意味をもち、ISVとの協業が大切になるわけだ。日本IBMや日本オラクル、マイクロソフトなどのメーカーが、「ISVパートナープログラム」といった呼び名で支援制度をつくって推進しているのは、ISVを自陣に取り込むためだ。
情報サービス産業協会(JISA)によれば、国内ソフトウェア業のうち、ソフトウェアプロダクトの規模(08年)は1兆5121億円。ここ数年、縮小傾向にある。
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