旅の蜃気楼

上海マラソンを走ったBCNの社員

2010/12/16 15:38

週刊BCN 2010年12月13日vol.1362掲載

【北京発】静かな朝を迎えた。ここは北京の繁華街「三里屯」。道をまたぐとユニクロとアップルストアがあるが、私が目覚めたのは小学校と病院に隣接する地元の小さなホテル。ベッドに横たわって窓を見上げると、まだ落ちないで残っている数枚の葉をつけた並木と、青い空。小さな間取りと素っ気ない造作が、伊勢で過ごした学生時代の部屋と似ているので、気に入っている。

▼このところ足繁く中国に通っている。今年から日中韓の市場をBCNの事業領域とすると決めたからだ。3月からはこの領域の出張を国内規定に改めた。口の悪い仲間は「出張経費の削減策ですか」と尋ねる。それに答えて、ニヤリとした。BCNは、創業時から現場主義を貫いている。それは、出来事の現場に立って自分で見聞する、という姿勢を意味している。この30年の間に、文明は急速に発達した。ネットのお蔭で情報は世界とつながった。検索サイトをクリックすれば効率よく情報収集ができる。もちろんそのことはよく知っている。私たちが大切にしてきたことは、ライブで感じる五感の情報だ。週刊BCNの創刊以来、ずいぶんとあちこちを旅してきた。国内47都道府県のコンピュータ・リテラシーの成長過程をつぶさに確認し、情報発信してきた。そして、今年からは韓国・中国に土俵を拡げたのだ。

▼中国といえば、わがBCNには走ることが好きな社員がいて、12月5日の上海マラソンに参加した。本人曰く、「“走る広告塔”になってきます」。6日には北京に用事があったので、上海マラソンの応援をしてから北京に入ることにした。走り終えた彼は、「目標にしていた4時間を切れませんでした」と残念がる。ゴールでは元気な子と奥さんのお出迎え。幸せのシャボン玉が舞っていた。この先30年、日中韓の五感情報をお届けします。来年10月は北京マラソンだ。一緒に走りませんか。(BCN社長・奥田喜久男)

「目標の4時間以内でのゴールは果たせなかった」と悔しがるBCN社員の伊達和久君
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