BOOK REVIEW
<BOOK REVIEW>『12億の常識が世界を変える インド』
2010/12/09 15:27
週刊BCN 2010年12月06日vol.1361掲載
著者はインドを「非常に信頼できる国」という。「世界最大の民主主義」が行われ、国民は勤勉で知的水準も高い。旧宗主国イギリスの伝統を引き継いで、物事の決定に時間はかかるかもしれないが、朝令暮改はない。
しかし、一方ではカースト制度や絶対貧困層の存在や、他国ではあまりみられない独特の慣習と常識、多言語・多民族国家ならではのとっつきにくさをもっている。それを踏まえたうえで、著者は「インドに出て行こう」とハッパをかける。
日本がインドにどのような影響を与えるか、そしてインドで何をなし得るかについて、本書の言及はそれほど多くはない。しかし大言壮語するよりも、著者は一度現地に行って、自分の目で確かめてくることを読者に勧めている。現在のインドの社会・経済を概観し、行動のきっかけとするのに好適の書だ。(叢虎)
『12億の常識が世界を変える インド』
長谷川慶太郎 著 ポプラ社刊(1500円+税)
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