いまさら聞けないキーワード
<いまさら聞けないキーワード>SIer(エスアイヤー)
2010/12/02 15:26
週刊BCN 2010年11月29日vol.1360掲載
インテグレーションとは、英語で「統合」「融合」「集積」を意味する言葉。IT業界では、複数のコンピュータやソフトウェア、そして通信回線(ネットワーク)を組み合わせて、一つのコンピュータシステムとして動作させるようにすることをシステムインテグレーション(SI=エスアイ)と呼ぶようになった。SIを手がける知識とスキルをもつ人を「システムエンジニア(SE=エスイー)」と呼び、そのSIを行う企業を指す言葉がSIerとなる。同義語として「ソリューションプロバイダ」を使う人もいる。SIerは、IT業界内で使われる造語で、情報システム部門のスタッフなどITに携わっている人でない限り、一般には通じないことが多い。
SIerとは普通、特定のメーカーに依存せずに複数のメーカー製品を取り扱うことができ、システム全体の企画・設計から開発、運用・保守までを手がけるIT事業者を指す。
経済産業省では、SIerとして必要な能力をもつ企業を「情報サービス企業台帳」に登録し、公表する「システムインテグレーション登録制度」を推進している。これに登録されている企業かどうかが、ユーザー企業などの判断材料になるが、現在、同省は廃止の検討を進めている。その方向に進めば、公的機関がSIerを評価・認定する制度がなくなってしまう。
ユーザー企業は、従来は情報システムを自社の要望に合わせて一から開発することを求めていたが、システムを短期間で稼働させたいことと、コストを抑えたいという思惑があり、パッケージソフトやSaaSに代表されるITサービスを利用する傾向が強まってきた。一から開発するのに比べてシステム開発費用が安価になるので、SIerは利益を捻出するのが難しくなっている。ちなみに、SIerの平均営業利益率は5%程度だ。
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