旅の蜃気楼
だんご三兄弟、紅葉の秘湯を愉しむ
2010/11/04 15:38
週刊BCN 2010年11月01日vol.1356掲載
▼鬼怒川温泉郷には久しぶりに訪れた。根津駅から地下鉄で北千住駅に行き、東武線に乗り換える。このまま乗っていれば、終点が鬼怒川温泉だ。鬼怒川には温泉がある。徳川幕府が作った日光がある。山と川が織りなす景色もいい。観光の条件が揃っている鬼怒川温泉は、昔から栄えてきた。が、訪れるたびに街は寂れてきた。今回は8年ぶりだ。お目当ては秘湯とその奥にある鬼怒沼の草紅葉だから、鬼怒川温泉街にはあまり期待もしなかったが、訪れてみたら少し様子が違う。何だか、きれいになっているのだ。活気のある気配がする。
▼旅の道連れは、山仲間のだんご三兄弟だ。東芝関係者の高橋文男さんと真木明さんである。同じ年に社会人になって、同じIT業界に身を置いて、違う風景のなかで39年間働き、還暦を過ぎてから、半年に一度は山を一緒に歩いている。何げない会話のなかに新たな物の見方を教えられる。「そうかな」に続く言葉を反芻すると、いつもハッとさせられる。今回は“お仕置き”という言葉を学んだ。責任と権限のなかで生き抜いてきた仲間に誇りを感じた。鬼怒沼の草紅葉は今が見頃です。(BCN社長・奥田喜久男)
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