旅の蜃気楼

[第2部・中国大特集]どっきり、わくわく「銀聯カード」

2010/09/02 15:38

週刊BCN 2010年08月30日vol.1347掲載

【北京発】中国の“銀聯カード”を入手した。このカードは「ぎんれん」と読む。NHKのアナウンサーが「ぎんれい」と読み間違えていた。確かに、話し言葉ではそう聞こえる場合がある。カードの申請手続きは日本で行った。このカードは、中国人観光客の多い銀座の百貨店とか、秋葉原などの大型量販店で使える。JCBやVISAカードと同様に使えるのだ。今はまだ日本人でこのカードを持っている人は少ないので、少し鼻を高くしている。

▼最初に使ってみたのは大阪に出張した折りだ。上新電機でのことだった。レジの人に銀聯カードを提示した。その瞬間、(おや、この人はどこの国の人なんだろう)といった視線を感じた。日本人の所有者はまだ珍しいのだろう。使い慣れているふりをして、暗証番号を入力した。ところが、「無効です」。再度入力してみたが、「使えません」。なぜ使えないのか、心当たりがない。がっかりして家に帰って説明書に目を通したら、暗号番号は6桁だった。通常のクレジットカードは4桁だが、銀聯カードは6桁。これが暗証番号入力ミスの原因だった。

▼次に利用したのは成田空港の免税店だ。ソウル経由で北京に出向く時だった。レジカウンターの周りは中国人で押し合いへし合いの大混雑。やや乱暴に銀聯カードを出した。(この人は中国人じゃなさそうだが、どうしてこのカードを持っているのだろうか…)、そんな視線を感じた。無事に支払いを終えて、飛行機に乗った。中国では北京の三里屯にあるカフェレストランで使った。この店は欧米人のグループが多い。広い庭があって、大きな道路に面していながらも、静かなところが気に入っている。夕食と昼食をとった。店員のサービスも行き届いているから居心地がよい。カップルでジュースを飲んでいる。男性がノートパソコンを使っている。「このパソコン、日本で一番売れているんだよ」。ちょっと自慢げな横顔。絵になる静かなシーンだ。いずれはこんな店が中国のあちこちにできるのだろう。楽しみだ。(BCN社長・奥田喜久男)

カードの暗証番号が6桁とは知らずに、最初は戸惑った
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