BOOK REVIEW

<BOOK REVIEW>『スティーブ・ジョブズ名語録 人生に革命を起こす96の言葉』

2010/08/26 15:27

週刊BCN 2010年08月23日vol.1346掲載

 あのスティーブ・ジョブズの“名語録”というタイトルに惹かれて手に取った。例えば、「CEOは私だ。その私が可能だと考えている」というような、いかにもカリスマ経営者が口にしそうな言葉がずらり並んでいる。

 本書は、七つの章立てで構成されている。第1章「発想のセオリー」、第2章「負けない生き方」、第3章「すごい口説き文句」、第4章「心の幸福論」、第5章「バカと賢者の差」、第6章「どん底からの脱出」、第7章「人が動く一言」――である。

 前書きによれば、ジョブズは「技術者ではなく、天才経営者ですらない」にもかかわらず、強烈なカリスマ性をもっている。なぜか。「ジョブズは、(略)時に暴君、時に救世主として君臨し、敗残にも絶対屈しない。そんな生き方によって人を惹き付け、知恵と情熱を引き出し、技術と資金と人材を、足し算ではなく、かけ算にして世界を変えてしまえる人間なのだ。だから、カリスマなのである」。

 96に及ぶ“名語”の大半はジョブズのツイート(つぶやき)のような形で掲載されている。例えば、「連中は臆面もなく真似をした。私たちは臆面もなく盗んできた」という言葉を読むだけでは、なんのことか分からない。言葉ごとの解説が1ページずつ掲載されており、それを読んで初めてその言葉が発せられた背景とか意味が理解できる仕組みになっている。この解説が、簡潔で、しかも読みやすいのがいい。(止水)


『スティーブ・ジョブズ名語録 人生に革命を起こす96の言葉』
桑原晃弥著 PHP研究所刊(552円+税)
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