旅の蜃気楼
ステータスとなるか、銀聯カード
2010/07/29 15:38
週刊BCN 2010年07月26日vol.1343掲載
▼最初にクレジットカードを手にしたのは業界紙の記者時代だった。アメリカに行き始めの頃で、アメックスカードが欲しくて、それを手にした時の気分に似ている。三十数年前のことである。その後、BCNを創業してからは、シルバーではない、ゴールドでもないプラチナのダイナースカードが欲しくて、ANAとの連動カードを入手した。その時もうれしかった。カードを持っていると、社会での“地位”が認められているようで、かつ何だか選ばれてもいるようで、所有欲をくすぐられる。
▼銀聯カードのことは、ちょっと前から何となく耳にし始めた。何だろうかと思いながらも、中国人が使うもの、と勝手に思い込んでいた。昔々、中国に出かけた外国人が使う兌換券(代替通貨)の逆のようなものかと思っていた。ところが、ここ数年前から中国で頻繁に見かけるようになった。そればかりか、東京銀座の中国人観光客が買い物で立ち寄る店でも頻繁に見かけるようになった。家電量販店では、もはや必須のカードになっている。大阪の上新電機本社に挨拶に出かけたおり、「銀聯カードは使えますか」と社長の土井栄次さんに尋ねた。「ウチも使えるよ。全部の店ということではないけどな。使える店、広げてるよ」。で、さっそく使ってみた。「暗証番号、お願いします」「違いますねぇ。もう一度お願いします」「ダメですね」。がっかりだ。理由も分からない。不完全燃焼の気分で帰宅した。銀聯カードとともに送られてきた書類を確認した。『00+4桁のお客様番号』とある。6桁の番号なんだ。中国では銀聯カードは使えるが、VISAカードは使えない店がある。いつか、銀聯カードが世界一のステータスになるかもしれない。次回は6桁を押そう。(BCN社長・奥田喜久男)
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