北斗七星
北斗七星 2010年7月5日付 Vol.1340
2010/07/08 15:38
週刊BCN 2010年07月05日vol.1340掲載
▼中国で日系の製造業などで賃金闘争が拡大していることが関心を呼んでいる。年収は日本円で40万円程度。日本人との給与格差に文句をつけ、賃金アップの要求が各地で起きている。その点、IT技術者は高級車を乗り回すほどに安定した高収入を得ている。多くの大連市民は、大学を出て大連ソフトウェアパーク内のIT企業に勤めることに憧れを抱いているようだ。
▼同パーク内の収益は、大半を日系企業から得ている。多くは「BPO」と呼ぶデータエントリーのアウトソーシング業務。いわば「労働集約型」の仕事だ。人材確保は申し分なく、技術力も向上する一方。最近では「KPO(ナレッジ・プロセス・アウトソーシング)」と呼ばれる動きが活発化し、より上流工程の仕事獲得を狙い始めた。
▼かつて「電算センター」と呼ばれた日本のITベンダーが、システム全般を担い始めたのと同じ道を歩もうとしているのだ。「より上流工程を」。これが中国ITベンダーのトレンドだ。人材豊富な中国に日本の上流工程の一部が奪われるのは時間の問題と思える。早期の対応策が必要となる。
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