北斗七星

北斗七星 2010年6月28日付 Vol.1339

2010/07/01 15:38

週刊BCN 2010年06月28日vol.1339掲載

▼日本最大の家電量販店街「秋葉原」。ひと昔前は、一つの建物に複数の店舗が立ち並ぶ「ラジオ会館方式」と呼ぶ店舗形態だった。いま、その面影は秋葉原駅前と裏街道に存在するだけとなっている。白物・黒物を問わず、「量販店方式」に変貌を遂げたのだ。海を渡って中国に目を向けると、そこはまだ「電脳城」に入居している小規模店の集積が力をもっている。

▼いま、中国では商品流通の様相が変わりつつある。「量販店方式」を展開する米国のベストバイが進出したのを皮切りに、2015年までに15店舗の「LABI」出店を計画するヤマダ電機など日本勢、ドイツのメディア・マルクトなどが参入を予定。これに呼応して、世界の家電メーカーの動きが慌しい。

▼「ラジオ会館方式」の場合、商品の卸先が中国内に1000弱存在し、店舗を展開する「売り手」のディーラーになる。このディーラーは大手から数人の事業会社まで幅広く存在する。ここに取り入り市場を開拓するには、多大な手間と労力が必要だ。しかし、量販店ならば卸先はベストバイなどの1社を手中に入れれば、事が足りる。

▼そこに商機を見出そうというのが日本の家電メーカーの動きだ。しかし中国人は複数店舗を巡回して格安商品を探す買い物が好きだ。「量販店方式」が市民権を得るかは微妙。とはいえ、ユニクロや伊勢丹などの成功で消費動向が変化しつつあるという。巨大市場・中国へ出たければ市場性を見極め早期に対策を講じる必要がある。
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