今日のひとことWeb版

自治体クラウドでまた“丸抱え”?

2010/05/06 15:26

 これまで自治体のシステムは、「ITゼネコン」と呼ばれる大手ITベンダーの“丸抱え”で、地元のSIerが開発に入る込むのは容易ではありませんでした。しかしいま、総務省を中心に「自治体クラウド」の動きが活発化し、丸抱え体質がどう変わるのかに注目が集まっています。

 日立製作所が取り組む「自治体クラウド」は、どちらかといえば中小規模の市町村にターゲットを絞っていますが、約2割の基幹システムを押さえているに過ぎません。この状況を打破するために、彼らは他社に先駆けてグループの総合力を結集した「自治体クラウド」体制をつくり、巻き返しを狙っています。具体的には、地元の電算センター系のベンダーとパートナーシップを組み、中小規模の市町村案件の獲得を狙っています。しかし、地元ベンダーから目をそらしてきた側から、いまさら「手を組みましょう」といわれても、地方のSIerはそんなに甘くないのではないでしょうか。

 地元SIerと組めなくて苦戦した場合、日立は“空中戦”に打って出るでしょう。そうなれば、また以前のようにクラウドで“丸抱え”の状況が生まれてしまう心配があります。(谷畑良胤)

【リンク記事】
日立製作所 自治体クラウドで攻勢
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2010.5.6」より
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