北斗七星

北斗七星 2010年4月26日付 Vol.1331

2010/04/28 15:38

週刊BCN 2010年04月26日vol.1331掲載

▼「当社が提供するクラウド環境を○○企業が採用」――。国内ITベンダーの「ニュース・リリース」に、自社のクラウド事業が急伸しているがごとく誇示する内容の記事が増えている。リーマン・ショック以降の景気低迷を経て、ようやく薄日が差してた日本経済。一時的に先送りしていた企業のIT投資が戻りつつある気配だ。

▼企業側は、先送りする前に予定していた金額と同水準のIT投資をすることに二の足を踏む。だからこそ、初期投資(イニシャルコスト)が少なくてすみ、将来的な運用コスト削減にもなるクラウドを選択しているにすぎない。最近では、大手メディアでも「ネットワーク経由でソフトウェア機能を使う」などとクラウドを形容し、クラウド環境を導入した企業を取り上げる回数が急増した印象だ。

▼「IT業界に異変が起きている」と、地方の中堅SIerの社長がこんな情報を伝えてくれた。3~4月頃に開催される大手プリンタメーカーが開く定例のパートナー向け集会に、地域SIerが多く招待されたというのだ。従来ならば、プリンタ販売を専門とする事務機ディーラー向けのイベントになるはずだ。

▼某プリンタメーカー社長曰く、「プリンタ販売を前面に出した売り込みは、成り立ちにくい」。プリンタに限らず、「3安(安心・安全・安価)」ならば、どのメーカーのIT機器かを意識せずに使う時代がやってきた。機器の性能よりもベンダーの「サービス力」が問われているのだ。
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