今日のひとことWeb版
毅然と悲壮の間に
2010/04/09 15:26
会場はすし詰め。定刻の20分前に入った私が座る席はありません。かすかにしか表情が確認できないテレビカメラの後ろで、立ちながらその人の話に耳を傾けました。富士通の元社長、野副州旦氏です。富士通に対して、役員を相手取って株主代表訴訟を起こすよう求め、自身の名誉回復のための訴訟を起こす考えも明らかにしました。
退任後、初めて公の場に出た野副氏の雰囲気はかつてと変わらず、口調に変化もありません。歯に衣着せぬ物言いがもち味の野副氏ですから、隣に弁護士がいなければ、もっと刺激的な発言をしていたでしょう。
記者の質問には、終始毅然とした態度で答えていましたが、時折りみせる悲壮感漂う表情に、野副氏の今の心情が最も表れているような気がしました。
(木村剛士)
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富士通元社長の野副氏が会見、「僕は富士通を愛している」
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