旅の蜃気楼

馬には乗ってみよ、中国には行ってみよ

2010/03/18 15:38

週刊BCN 2010年03月15日vol.1325掲載

【上海発】お隣には元気な国があるという。元気な中国とはいうけれど、本当かしら? 自分の目で見なければ、確信できない。3月上旬に現地へ飛んだ。

▼浦東空港に着陸。賑やかな人たちがぞろぞろと、長い空港ターミナルの通路を歩く。99年に完成した当時は、ほんとに大きな空港だと思った。その後、韓国の仁川空港ができた。これも大きな空港である。当時訪れた日本人の多くの人が、「大きいなあ」と感嘆したと思う。どうして、日本も大きな空港を作らないのだろうか。

▼空港の次は鉄道だ。浦東空港と上海の街の郊外を結ぶリニアモーターカーが運行している。最高時速430km、3月7日に乗車したときは、時速303kmと表示された。弾丸電車は直線距離を走る。通過する周囲は樹木で覆われた水郷の田園地帯だ。観光資源にもなりそうな雰囲気がある。このリニアモーターカーの開通とほぼ時を同じくして設立された日本企業の上海法人がある。クオリティ上海法人だ。数年前まで経営難にあえいでいたが、ようやく開花した。「開発者の中核になる人が育ってきました。これが黒字化を可能にしました」と、飯島邦夫総経理。上海法人の経営をみるようになって1年半がたつ。飯島総経理は09年5月、あるメディアに次のように語っている。「新規の売り上げべースで2009年9月に上海の子会社が名古屋支店を抜き、2010年9月には東京を抜いて、2011年9月に日本の売上げを抜く計画を立てている。さらに、本社機能も2013年9月期に上海に移転させる腹づもりだ。そのときに、クオリティのCEOは日本人ではないかもしれない。それくらいの意気込みじゃないとだめ」(IT記者会レポートから抜粋)。上海万博を目前にして、企業が弾丸と化している。(BCN社長・奥田喜久男)

「名古屋支店の売り上げを抜くことができた」と語る飯島邦夫総経理(左)と
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