北斗七星

北斗七星 2010年3月15日付 Vol.1325

2010/03/18 15:38

週刊BCN 2010年03月15日vol.1325掲載

▼中国・上海市内に張り巡らされている地下鉄網「上海軌道交通」。最新型の車両では、「デジタルサイネージ」で広告などが放映されている。時折り、音声が流れるところが日本の車内広告とは違う点だ。車内での携帯電話使用はお咎めなし。駅のコンコースに着くと、乗降口に整然とした列はなく、われ先にと殺到する姿がある。乗車マナーの悪さは噂通りだ。

▼地上に出れば、自動車やバイクが入り乱れ、運転マナーらしいものもなく、いつ事故が起きてもおかしくない。日本では「譲り合う」のが前提だが、中国は方向指示器を出す前に車線変更するような強引な運転が目立つ。だが、それはそれで統制が取れているのだ。国家の統制は強いものの、多くの規制に縛られている先進諸国と異なり、生活上は“自由”な面がある。

▼中国は今年、ドイツを抜いて輸出世界一、GDP(国内総生産)も今年中に日本を抜いて米国に次ぐ2位になるとみられている。世界の企業が中国の膨大な市場に照準をあて、自国の内需低迷を補うべく進出している。だが、この国を制するには正面から「攻める」やり方は通用しないだろう。

▼中国企業の経理担当は、菫事長(会長)や総経理(社長)よりも権限をもつという。いかに代金支払いを遅らせることができたかで手腕が評価される。出資も一手に握り、ここを押さえることがビジネス上の第一歩となる。ひと筋縄ではいかないが、この国を攻略しなければならないのが世界経済の実状だ。
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