旅の蜃気楼

オケ指揮者って、どんな人?

2010/03/11 15:38

週刊BCN 2010年03月08日vol.1324掲載

【本郷発】人それぞれに雰囲気がある。ほんわかとした人、忙しげな人、性格がよさげな人。人となりばかりでなく、職業が醸し出す雰囲気もある。医者、弁護士、警察官。それぞれ独特の雰囲気がある。今回はオーケストラの指揮者に会った。中島良史さん。国際音楽祭ヤング・プラハの代表だ。昨年まで、国立音大の指揮の先生であった。聞くところによると、シベリウスを得意としているという。「う~ん、わからん」。いったい、どんな人だろう。だんだん興味が湧いてくる。

▼当日、少し取材の時間に遅れた。「こんにちは」。すでにその場は盛り上がっていた。先に到着していた編集員たちと盛り上がっていた。気難しい指揮者で、ふくれっ面をしていたらどうしよう。インタビューの時間は限られている。初対面だ。困ったぞ、という不安が募っていた。みんなの笑い声で、その不安が吹き飛んだ。細身の身体に、白髪混じりのおかっぱ頭。黒いシャツに、黒い細い革のネクタイ。この姿でプラハの街を往き来しているのだ。中島さんはかっこいい。IT業界にも、かっこいい人はいる。が、このタイプは見かけない。「ドボルジャークの私生活の話でもしましょうか」と言われると、遠い存在のドボルザークが身近に感じられるから不思議だ。

▼中島先生に会うきっかけは、システムYAMATOの創業30周年記念のオーケストラの夕べの企画だ。同社社長の大和恒夫さんと久しぶりに会った。もう三十年来の仲間だ。「今度、シベリウスのコンサートを開くんだけど、来ない?もちろん招待だよ」「誰がコンサートを開催するの?」「ぼく…」。思わず、「大和さんが?」と聞き直してしまった。コンサートは4月2日(金)19:00開演。新宿文化センター大ホール。曲目はシベリウス交響曲第2番、ショパンピアノ協奏曲第1番など。中島先生のインタビューは来月、「千人回峰」でBCN Bizlineに掲載します。異業種の方へのインタビューは楽しいけれど、いつもと違う心地良い疲れと充実感を覚えた。(BCN社長・奥田喜久男)

気さくで飾らないタイプの指揮者に魅力を感じた
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