BCNアーカイブス

<ニュースその後を検証>日本ユニシス 大型案件の品質保証体制を確立

2010/03/11 19:47

週刊BCN 2010年03月08日vol.1324掲載

●2006年9月4日 vol.1152 1面にて報道
日本ユニシス 大型案件の品質保証体制を確立

 いまから4年ほど前、大手ITメーカーやSIerが手がける国内の受託ソフトウェア開発で、相次ぎ大型の「不採算案件」が頻発したことは、記憶に新しい。「週刊BCN」編集部は、その実状を探るために、不採算を出したベンダーを取材して回った。

 そのなかの1社である日本ユニシスでは、2006年3月期に不採算案件で約28億円の特別損失を出した。当時、籾井勝人社長は記者会見など公の場で、不採算に陥った直接的な原因を語ることはあった。だが、事後対策に触れる機会はなかった。そこで、「事後対策」の取材を申し込んで聞いたところ、20人体制の「品質保証体制」を確立し、最終的には案件見積りの不透明感を払拭するため「人月単価」を廃止することまで検討し始めたことを明かした。

 日本ユニシスのこうした対応策が出る前、富士通は社長直轄の「SIアシュアランス本部」を設置し、月次単位で大型案件の進捗管理について役員クラスが集まって管理監督する制度を開始した。

 両社のように、当時抜本的な改善策を打ち出したベンダーからはその後、不採算案件が激減。そこに手をつけなかったSIerからは、不景気とともに不採算案件が出始めている。(谷畑良胤)
  • 1

関連記事

日本ユニシス 大型案件の品質保証体制を確立