●2005年1月10日 vol.1071　1面にて報道
日本オフィス・システム　自社開発ERPを投入

　2004年頃までにIT機器販売主体から受託ソフトウェア開発などソリューション販売に業態をシフトした中堅SIerの日本オフィス・システム（NOS）。「週刊BCN」（2005年1月10日号）では、NOSがソリューション展開の“切り札”として自社開発のERP（統合基幹業務システム）を順次投入するとの情報を得て取材し、特報として伝えた。

　当時はERP市場が好調な時期で、他社から多くの競合製品が出ていて、群雄割拠していた。その時代に新参であるERPを投入するのは、勇気のいる行為とIT業界では受けとめられていたようだ。

　NOSのERPは開発言語「Java」で構築し、当時は稀な「部品化」を徹底した。柔軟性に乏しいERPが多いなか、必要な分だけを導入できるコストメリットなどを打ち出していた。同ERPをリリースしたのは、05年4月。同年10月には、「FineCrew NX」と名付けたオンデマンドサービスのERPへと変貌を遂げる。

　競合他社の隙間を狙うコンセプトはよかったが、すでに市場を形成していたERPベンダーの前に苦戦を強いられた。一方で、クラウドコンピューティングの流れが急速に進み、08年頃にはERPサービス事業を通期で黒字化させた。（谷畑良胤）