BOOK REVIEW
<BOOK REVIEW>『ザ・クリスタルボール』
2010/01/28 15:27
週刊BCN 2010年01月25日vol.1318掲載
前書と同じく、この本も小説仕立てになっている。物語はハンナズショップ・ボカラトン店の店長を務めるポールが、「半額!」と描かれた大きな看板を見つめながら店に出勤するシーンから始まる。タイトルとなっている「クリスタルボール」とは、「何が、いつ、どこで、どれだけ売れるか」を正確に告げてくれるものの象徴として登場する。
さて、話はポールの店の地下倉庫で水道管の破裂事故が起こり、商品が水浸しになってしまった不測の事態から急展開する。やむなく、たった20日分の在庫で営業せざるを得なかった店が、常識を超える高い利益率を弾き出したのだった──。
いわゆる実務書とは異なり、小説仕立てなので最後まで読み切らなければ書かれている内容を整理しにくいというもどかしさがある。だが、主人公になった気分で読めば、ビジネスに役立つ内容がふんだんに盛り込まれていることが分かる。SIerのクライアントである小売チェーンが抱える問題点を探るという読み方もできる。(止水)
『ザ・クリスタルボール』
エリヤフ・ゴールドラット著 岸良裕司監 訳/三本木亮 訳
ダイヤモンド社刊(1600円+税)
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