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<ニュースその後を検証>ダイワボウ情報システム 中期計画で売上高1000億円上乗せへ
2010/01/14 19:47
週刊BCN 2010年01月11日vol.1316掲載
ダイワボウ情報システム 中期計画で売上高1000億円上乗せへ
2009年3月、大手ディストリビュータのダイワボウ情報システム(DiS)は、親会社である大和紡績の完全子会社化となり上場廃止した。複数の投資家によると、同社株は「滅多に上がらないが、値動きは堅調で、時々上昇する」ので、投資対象としては、安定・優良株に映っていたという。
「週刊BCN」では、松本絋和・前社長が就任後にいち早く取材に応じ、中期目標を明らかにしていた。この取材で松本・前社長は、前社長による増収路線を継承する一方、05年度(06年3月期)までに03年度比で1000億円以上の売上高を上乗せし4500億円にして、経常利益を2倍の50億円にする強気の計画をぶち上げた。この本紙報道に対しては、IT業界から疑問の声が多く出ていたのを記憶している。
というのも、当時同社が主力としていたパソコンやサーバーの単価下落が著しくて売上減が予想され、売り上げを上げるためには販売量を増やし、相対的なコストを下げるためには販売・管理費や倉庫などの固定費が多くかかるからだ。ところが実際は、経常利益は予定通り49億円を確保した。上場を廃止するには惜しい銘柄である。(谷畑良胤)
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