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<ニュースその後を検証>NEC、他社製パソコンの扱いに本腰 “慎重”体質からの脱却を目指す
2009/12/24 19:47
週刊BCN 2009年12月21日vol.1314掲載
NEC、他社製パソコンの扱いに本腰 “慎重”体質からの脱却を目指す
現在のようにIT技術が進歩した状況下で、一つのメーカー製品だけでユーザー企業のシステムを構成する「垂直統合型」は現実的ではない。よりよい製品を組み合わせて使う「水平分業型」がいまや主流。しかし、2002年の「ITバブル」頃までは、「囲い込み」の名の元に、「垂直統合型」でのシステム構築が当たり前だった。
当時、この「垂直統合型」に早い段階で見切りをつけたのがNECだ。「週刊BCN」(02年3月11日号)では、同社のパソコン生産を中国に7割もシフトするという話題とともに、「他社製パソコンの生産、修理、サポートに乗り出す」という大きな業態変換を打ち出した戦略を聞き出して記事化している。
同社は、01年10月にNECパーソナルグループを分社化し、製造・販売の「水平分業」体制を敷いた。これに関連して、新たな収益源を求めて手を打ったのが、他社製を扱う戦略だ。群馬県に500人規模の修理子会社を設立したほか、生産量の1割を他社製パソコンからOEM(相手先ブランドによる生産)供給を受ける方針にした。他社製を含めてハードウェアの取引量を増やす考えは、現在の業績をみる限り成功だったといえるかどうか疑問だ。(谷畑良胤)
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