旅の蜃気楼
東京に新しい電気街が生まれた
2009/12/10 15:38
週刊BCN 2009年12月07日vol.1312掲載
▼ビックカメラの牙城に、ヤマダ電機が進出したのは2007年だ。最初の進出の際には、「ヤマダもよくやるよ」と、業界は驚きの評価だった。結果は、ビックの売り上げをヤマダが食うことなく、ヤマダの売り上げ分を積み上げて池袋電気街は拡大することとなった。さらに今年はビックの本丸を取り囲むようにして、ヤマダが大型店舗をオープンした。10月31日、ビックとヤマダの激しい戦いが始まった。商戦は販売店のぶつかり合いだが、商品の供給はメーカーの役割だ。今のメーカーは、販売店を両天秤に掛けるほどの力はない。唯一の力学は二者(社)択一だ。少しずつメーカーにそんな気配が出始めている。消費者は安い製品を求めている。「他店より1円でも安い値段で売ります」と販売店は言う。だが、ほんとうにそれでいいのだろうか。お店で買うお客様には、「他店より少しでも質の高いアフターサービスを提供します」が本筋だろう。「あの店で買うと安心だ」。そんな店づくりに努力する販売店を、メーカーは応援することはできないのか。
▼池袋電気街は駅の東側にある。反対の西側には立教大学があって、駅前には東京芸術劇場がある。劇場の前には広場があって、年々、芸術的な雰囲気のイベントが増えている。その一つに“おやじカフェ”がある。何ともおかしな名前に惹かれて立ち寄った。広場に半円球の白いテントが張ってある。その中で一般公募の“おやじ”たちが、「ヤングマン、Y、M、C、A」と楽しく踊りながら給仕役をこなしている。12月12−13日の土日が最終。入場無料。大笑いして楽しんだ。同年輩の仲間と一緒に生きるって、素敵なことですね。(BCN社長・奥田喜久男)
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