旅の蜃気楼
「パソコンの父」はなお健在
2009/11/26 15:38
週刊BCN 2009年11月23日vol.1310掲載
▼現在のパソコン文化の火をともしたのはアラン・ケイだ。彼は「パソコンの父」と呼ばれている。1940年生まれだから、いまだ健在だ。久しぶりに、アラン・ケイのメッセージを見た。先ごろ木更津高専が主管校となって行われた『全国高等専門学校プログラミングコンテスト』の20周年記念大会のことだ。会のプログラムを手にして数ページ開いて見ると、アラン・ケイの微笑んだ顔写真がある。「すごい!」と思わず唸る。「Have Fun With Programming!」という見出しの、彼の特別寄稿が目に飛び込んできた。
▼ともかく関係者に経緯を聞いてみた。木更津高専・情報工学科の栗本育三郎教授が6年前に京都で開催された国際会議(C5)で、アラン・ケイと出会った。ケイは子どもにプログラミング教育を推進しており、日本では京都大学をベースに活動している。栗本教授は彼の言葉に感銘を受けていた。「The best way to predict the future is to invent it」。ケイにそのことを伝えた。そして20回大会を記念して「プログラミングに取り組む未来ある学生たちに、励ましの言葉をもらえないか」とメッセージを依頼したところ、ケイはそれに応えた。栗本教授はお礼に屋久杉製のマウスを贈った。そのマウスには名前を付けた。「History」だ。そしてマウスに「Alan」と刻んだ。明日は人が創りだす。人が何をするかがとても大切だ。(BCN社長・奥田喜久男)
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