北斗七星

北斗七星 2009年9月28日付 Vol.1302

2009/09/25 15:38

週刊BCN 2009年09月28日vol.1302掲載

▼鳩山新内閣が発足した。「脱官僚依存」を掲げつつ、自民党が積み上げてきた重要施策を抜本的に変える方針だ。新政権発足前には党首だったエース級を閣僚に起用する「重厚内閣」。その一人、「ミスター年金」の長妻昭厚労相は、NECのコンピュータ営業職出身、IT記者を経験するなど、ITに明るそうだ。

▼知り合いの民主党代議士に聞けば、「経済産業省の出身者はいるが、ITに詳しい人材は少ない」とのこと。だが、新経産相の直嶋正行氏は、日本医師会が大反対する「電子レセプト」施行を掲げるマニフェストを作成した人物である。新政権の下では、「後期高齢医療制度の廃止」など、過去の行政システムや制度の改正が目白押しだ。

▼制度改正は、地方に“特需”を生む。行政システムは共同利用が可能で、ヒット作ができれば全国に波及するからだ。少し前まで、自民党の元議員事務所の引っ越しが永田町の議員会館で慌ただしく行われていた。一方、民主党議員を中心とする新入居者の事務所には、OA機器などが大量に搬入された。ITベンダーに“特需”があったに違いない。

▼制度改正、あるいは官公庁・自治体のシステム環境の見直しを新政権に期待したい。運用管理ソフトウェアを提供するITベンダーはここに熱い視線を注いでいる。IT機器やソフトなどは「無管理状態」のところが少なくない。効率的なサービスを提供するため、税金の投入が少なくてすむシステムに入れ替える絶好の機会だ。
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