旅の蜃気楼

不思議、不思議な“人のつながり”

2009/07/06 15:38

週刊BCN 2009年07月06日vol.1291掲載

【本郷発】「『バラの木にバラの花咲く、なにごとの不思議なけれど』。大好きな北原白秋の詩ですけれど、なんとなくわかった様な気がします。世の中不思議なこといっぱいあるのですね」(原文ママ)。こんなお便りをいただいたのは、もう3年前のことだ。当時で80歳を超えておられた。この年齢の方から届いた不思議な内容のお便りを折に触れて読み返しては、“不思議”について思いを巡らしている。

▼不思議なものの一つに、人のつながりがある。今年1月から週刊BCNでは、『人に人脈あり』というタイトルで人脈をリレーするコラムを始めた。第1ステージは、高山由さんから堀田一芙さんにバトンが渡され、総勢21人で幕を閉じた。堀田さんから平野洋一郎さん、そして牧野正幸さんへと人脈は広がっていく。このあたりですでに第1ステージの第一走者である高山さんの70代からグーンと若くなって、40代になる。世代はともかくとして、「友達の友達は友達」だとすると、人のつながりは不思議そのものだ。編集部でもこの顔ぶれを見て、「想像をはるかに超える多彩な顔ぶれが揃った」というキャプションをつけた。

▼前号からは、第2ステージが始まった。第一走者はBCNの吉若徹さんだ。バトンは堺和夫さんに手渡された。そして、堺さんから富田克一さんへ。ここまでは吉若さんの人脈図に相当している。なるほど、そうだな、と頷ける。第1ステージの高山さんの例からすると、4人目、5人目あたりから、人脈は第一走者からかけ離れていくようだ。それでも登場いただいた方の全員に共通しているのが、“根アカ”なことだ。総勢21人のお顔を拝見し、皆さんの原稿を読んでいると、なんとなく似ていると思えてくるから不思議だ。

▼バラの木にバラが咲くように、あの人にはその人らしい人が仲間になっている。吉若さんの人のつながりを手繰っていくと、いったい、20人目はどのような人に落ち着くのだろうか。人のつながりは実に味わい深くて不思議なものだ。(BCN社長・奥田喜久男)
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