北斗七星
北斗七星 2009年6月29日付 Vol.1290
2009/06/29 15:38
週刊BCN 2009年06月29日vol.1290掲載
▼ICT(情報通信技術)を使った日本のデジタル教育は、世界に比べて劣っているといわれる。インフラ整備の遅れもさることながら、ITCをうまく利活用できていないのが要因だ。その一方で、先進的な学校からは「ICTで学力が高まった」との報告が寄せられ、学力アップの〝切り札〟のように語られる。しかし、この学校がいうところの「学力」とは、実はテストの「点数=偏差値」にほかならない。ICTの利活用では「生きる力」は身につかないのだ。
▼いま市販されているICT製品には、ハードもソフトも「分かる」「気づき」を体験させるのに適したものが揃っている。しかし、「分かった」を端緒に自ら行動・判断し、応用していく力をつけさせる製品はあまりない、と現場の教師は苦言を呈する。企業システムにもいえることだが、「参考書(機器)を揃え、『できた』と勘違いする」ケースは多い。人が介在し、利活用してはじめてICTの有効性を実感するのだ。この視点が欠けていると、ICTは無用の長物と化す。
- 1