旅の蜃気楼

ネットブックの隆盛を台北で実感

2009/06/15 15:38

週刊BCN 2009年06月15日vol.1288掲載

【台北発】牛に引かれて善光寺ならぬ“台北”に行ってきました。桃園国際空港のロビー内は写真のような牛が、何頭もあちこちにいた。台湾で牛は「運気を開く」動物だという。今年の干支だ。世界的な経済危機を、赤青黄色に彩られた牛の力をテコにして、「えい、やぁ」とばかりに、元気になろうというわけだ。6月2~6日、『コンピューテックス台北』が開かれた。その元気な様子を見に行った。台湾企業は世界のパソコンの生産基地だ。中国や、ベトナムでボードを生産していても、行き着くところは台湾企業だ。台湾IT企業の動きは世界のパソコン市場そのものなのだ。

▼ネットブックが花盛りだ。あちらでもこちらでも、ネットブックに注目が集まっている。ネットブックは完全に市民権を得た。ケイタイ、ネットブック、ノート、デスクトップ。IT機器はこの4階層で構成されることとなった。メーカーからは、4階層の機能が重なり合った製品が今後発売される。それらの商品が市場に評価されながら、次の新しいライフスタイルが生まれる。パソコンはどんどん部品化している。映像パネル、無線機能と組み合わさって、デジタルコンテンツは世界中の人たちのライフスタイルを変化させようとしている。

▼地デジ時代は、(草なぎ君の話題とともに)すぐそこにやって来ている。台湾を訪れて、2009年は新しい世界のデジタル産業図を生み出す節目の年だと、ひしひしと感じた。台湾のIT企業は、韓国のサムスンとともに、すでにグローバル化している。その台湾IT企業は、明日のIT市場はこれまでの延長ではないことを各社の首脳陣が肌で感じているからだ。

▼台湾は世界のパソコン工場だ。工場の中にある部品を組み合わせると、別の形のパソコンができる。パソコンのスペックは標準品だ。どこでも作ることができる。標準部品であれば、量産可能な地区が最も有利だ。台湾IT企業の動きから目が離せない。(BCN社長・奥田喜久男)
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