▽…ライバルのヴイエムウェアと激しいシェア争いを展開するシトリックス・システムズ・ジャパン。今年3月にトップに就いたマイケル・キング社長は、まず手始めに主力の仮想化ソフト「Xen Server」の無償提供をスタート。この約2か月間のユーザー企業からの問い合わせ件数は、「ざっと従前の15倍に増えた」と話す。皆、不況で苦しいなか、少しでも安いシステムを求めて必死になっている様子がうかがえる。

▽…「顧客の目線に立つことが何よりも重要」というのがキング社長の方針。その一方で、SIerなど販売パートナーのなかには無料化によってライセンスの売り上げが減る懸念も。同社の大古俊輔会長は、「パートナーのライセンス販売の責任者はいい顔はしないかもしれないが、仮想化に伴うSIビジネスは大きく拡大している」と、トータルでみたパートナーのビジネスボリュームは増えたと自賛。こちらもシェアを獲るために必死のようだ。（安藤章司）