北斗七星

北斗七星 2009年2月23日 Vol.1273

2009/02/23 15:38

週刊BCN 2009年02月23日vol.1273掲載

▼ディズニーリゾート、任天堂、ユニクロ、東京競馬──。これらに共通するのは、「未曾有の不況」に喘ぐ日本経済の中で高収益を堅持する企業だ。ユニクロを除けば「娯楽」がキーワード。ユニクロを含めると「好奇心」「デザイン性」──などを「安価」で満たすことが該当するだろう。突き詰めれば「リピーターが多い」ことが「不況に強い」根拠といえる。

▼冒頭の一つ、ディズニーリゾートを訪れてアトラクションに乗れば、好調の理由が分かる。誰もが知るアトラクション「カリブの海賊」。数年前と趣が異なり、ジョニー・デップ主演の映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」調に衣替えされた。ほかにも「ハロウィン」などの年中行事別に内装などが一新。ファンは「好奇心」を抑えられず、自然とリピーターになる。

▼公営ギャンブルはここ数年、「客離れ」が顕著だった。だが、このところ客足が戻っている。競馬の場合、一着から三着までを着順通り当てたならば、100円が100万円単位に化けることもある。不景気のせいで給料は減ったが、少額投資で一攫千金を得られる。かつて競馬を経験したヒトが「昔取った杵柄」と「リピート」で来ているようだ。

▼不況下でも「儲かる企業」には、共通して「リピーター」を呼び込む「集客システム」が機能している。「一時的に利益が出る」ことに期待をかける企業は没落の一途。自社製品やサービスの旨味を体験した「休眠客」の掘り起こしこそが「生き残り」のカギを握っているといえる。
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