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<ニュースその後を検証>税理士法改正へ 会計のIT化が加速
2009/02/16 15:38
週刊BCN 2009年02月16日vol.1272掲載
中小企業のIT利活用を促進するため経済産業省の基盤「J-SaaS」など、国を挙げた取り組みが進んでいる。同基盤で期待する「IT利活用」のうち、同省が最も導入率を底上げしたいと目論むのが、遅々として進まない中小企業の「会計のIT化(自計化)」だ。
7年前、会計システムを一気にIT化するチャンスがあった。2002年4月、「税理士法」が20年ぶりに改正。税理士の法人化が認可され外資系の会計事務所が参入するとみられ、この勢力に対抗するため、会計処理業務に「ITが必須となる」と思われていたのだ。この動きを察知した週刊BCN(2002年1月14日号)では、改正前に「会計のIT化が加速」と煽る記事を掲載している。
当時、大半の中小企業の会計処理は、税理士・公認会計士に任され、手作業で行われていた。競合の参入が相次ぎ、多くの企業を高速処理する必要が出て会計事務所や顧問先の企業向けに「会計ソフトウェア」が流行ると見ていた。
02年頃からの会計ソフト需要を見ると、右肩上がりで成長したのは事実。しかし、自計化率は欧米に比べて低率で推移している。業務ソフト業界が02年のチャンスを生かしていれば…。(谷畑良胤)
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