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<ニュースその後を検証>日本IBM BP網を再編、2層構造に

2009/02/09 15:38

週刊BCN 2009年02月09日vol.1271掲載

●2002年4月15日 vol.937 1面にて報道

 「ITバブル」が崩壊して大手ハードウェアメーカーの決算で赤字が頻発するなか、日本IBMは新たなビジネス・パートナー(BP)戦略を打ち出した。週刊BCN(2002年4月15日号)では当時、一担当者にすぎなかった橋本孝之氏(現社長)を取材し「BP網を再編」と報じた。

 当時のBPは間接販売の一翼を担う現在と異なり、日本IBMが直販したあとのサポート担当の位置付け。しかし、このままでは「販路が限定的で市場を拡大できない」(橋本氏)と考えた末に、BPの販売スケールを「広域化」し、技術力も日本IBMのノウハウを提供し「高度化」することにした。

 規模の小さいBPは、自社だけで新たなソリューションを開発することが困難だった。そのため、この新戦略は斬新で一時的に成功した。いまやBPは、IBM製品を扱ってソリューション展開するのが当たり前。その前兆を捉えたのだ。取材に答える橋本氏は「当社シェアは国内IT産業の10%程度。規模の拡大を狙うには直販主体を脱し、(間接販売する)BP網の構築が不可欠」と語っていた。

 だが、BPが担っていた「中堅・中小企業の開拓」は、未だに泣かず飛ばず。どこでボタンの掛け違いがあったのだろうか。(谷畑良胤)
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