北斗七星

北斗七星 2009年2月9日付 Vol.1271

2009/02/09 15:38

週刊BCN 2009年02月09日vol.1271掲載

▼ウィキペディアによると、「ピンポンダッシュ」とは「他人の家屋の呼び鈴を鳴らして逃げる行為」を指すとある。その「ピンポンダッシュ」をした男子中学生が迷惑条例違反で書類送検された。好意を寄せる女子生徒宅に5回繰り返し、“お縄”になったという経緯。自治体では、ストーカー行為をする輩や空き巣が在宅確認に使う手段を規制するため条例で網を張る。今回の場合、大事件に至る前の「警鐘」と思われる。

▼男の子なら誰しも経験がある「ピンポンダッシュ」。“度胸試し”として上級生の指示で下校途中などに試したものだ。ところが、たまに家主に捕まる。そこで厳しい叱責を浴び、社会観を刻んだもの──とは擁護し過ぎだが、先の中学生をニュースとして報道することには異議ありだ。

▼文部科学大臣は最近、「心を育む5つの提案」なる道徳観を身につけさせる方針を発表した。このうちの一つに「読み書きそろばん・外遊び」とある。前半は教科書で学ぶ学習で真剣ならば習得可能。後半は社会での経験でしか身につかない。



▼「昔は」というと若い人に顰蹙(ひんしゅく)を買うかもしれないが、鬼ごっこの最終形といわれる「刑ドロ」など、子供がつくり出した遊びが無数にあった。同じ名称でもルールは土地土地のガキ大将によって千差万別。子供たちのなかでルールをつくり、道徳観なるものを養う。産業が多角化するなかで、こうした子供の頃からの営みがなければビル・ゲイツのように世界に通用する人材は生まれない。
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