旅の蜃気楼

紙面のリニューアルに寄せて

2009/01/19 15:38

週刊BCN 2009年01月19日vol.1268掲載

【本郷発】週刊BCNは今週号からデザインと編集方針を新しくしました。詳しくは編集長の谷畑良胤が紙面を通じて、読者の皆さまにお知らせします。

▼紙面刷新を機に、コンピュータの歴史をざっと振り返ってみる。企業がコンピュータを使い始めたのは1960年代からだ。最初は大手企業が使い、特別に抜擢された人たちが特別な訓練を受けて、特別あつらえの空調管理の行き届いた電子計算機室で動かす、といった様相だった。その後、技術が発達してコンピュータが小型化され、価格が徐々に低下してオフィスコンピュータが生まれた。この段階から中企業が使い始めた。今では当たり前だが、特筆すべき技術開発がその背景にあった。機械を操作する人も一般事務員になった。ただし訓練を受けて使っていた。70年代のことだ。現在のように、誰でもいつでも使えるパソコンが生まれたのは80年前後。コンピュータは、今ではインターネットを使って、どこにでも繋がる。こうした通信環境は90年代から整い始めた。その一方で、携帯電話の普及が別途に進行した。現在は、パソコンと携帯を一人1台もっている。この環境にあって、企業のシステムのあり方が、進化し始めた。みんなで共有するクラウド型と、個人所有型の共存になってきた。

▼本紙は今週号から、新しいシステム・コンセプトに向けて変化する「売る」ための「5W1H」をお伝えします。「売る」という行為は価値の提供です。価値というのは評価されてこそ生まれます。全国に所在する優れたシステム販社を取材対象として、コンピュータと通信が融合した21世紀のインターネット時代の進化の足跡を刻んでいきます。2011年7月25日には完全地デジ時代が幕開けします。こうした一連のシステム変化は、コミュニケーション構造の変化そのものです。だから人と人のあり方の最小単位である、家族、企業、町内、社会と人のかかわり方に変化が生じるわけです。いつになく堅苦しい内容になりました。次号からいつものように旅をしながら、人の世の蜃気楼を綴ります。(BCN社長・奥田喜久男)
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