旅の蜃気楼
新聞、放送、通信の融合が生み出すものとは
2008/12/22 15:38
週刊BCN 2008年12月22日vol.1265掲載
▼つい先ごろ、朝日新聞社の赤字決算見通しが記事になった。「ほう、朝日も赤字かぁ」といった景気縮小の影響を実感する読後感だった。広告の入稿はここにきて、激減している。外資系企業の経費凍結は、社長の解雇につながる。国内企業にも経費削減が連鎖して、事業活動の縮小が急速に進行している。赤字の要因は活字離れの読者が増えているという、ライフスタイルの変化が底辺にあるのは確かだ。しかしページビューを根拠にしたWeb広告の出稿の根拠が崩れ始めている。広告出稿企業は属性の明確なWeb閲覧者の根拠を求め始めている。Web時代は21世紀から始まったといってよい。たった10年の間の出来事だ。むしろ、もう10年というのか――。いろいろな考え方がある。
▼年が明けて、1月21日にはオバマ大統領の時代が始まる。かつてのキング牧師の「I have a dream」の熱い演説を思い出させる。オバマは携帯電話、スマートフォンでネットの向うにいる人たちに話しかけたという。コミュニケーション構造は変化した。インターネット、携帯という新しいメディアを、すでに私たちはライフスタイルに組み込んだ。『変』という文字が2008年を象徴している。この変化は世紀の時間軸での変化と捉えよう。(BCN社長・奥田喜久男)
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