旅の蜃気楼
田舎暮らし万歳! ラジオ体操は永遠に
2008/08/04 15:38
週刊BCN 2008年08月04日vol.1246掲載
▼確かに和歌山は田舎だ。JR紀伊田辺の駅前も、なんとも、まったりしていた。その田舎ぶりがいいのだと思って、ときどき和歌山に出かける。そんな話をBCN編集部でしていたら、(私が住んでいる)「根津も高円寺に比べたら田舎。だから、8月15日に引っ越す」という編集部員が現れた。聞けば、高円寺は不夜城で、夜に終わりのない街のようだ。根津は夜8時ともなると、ひっそりして、人通りががたっと減る、というわけだ。「人並みの街」だから引っ越すのだという。そうか、根津は都内の和歌山なんだ。そういえば、和歌山に惹かれて通うぐらいだから、根津は和歌山らしいのかもしれない。
▼根津のお気に入りのひとつに、NHKのラジオ体操がある。今年、ラジオ体操は80周年を迎えたそうだ。根津神社の境内には1928年生まれから2005年生まれと思われる世代が集まる。そこに「タンタカターン、タンタカターン、タ、タ、タ、タ、タタタ…」の例の音楽が境内に鳴り響く。老いも若きも同じ体操を同じ時刻に全国で、80年前から続けてきている。なんだか、空恐ろしさを感じないわけでもないが、中国の朝の公園に見る、思い思いの太極拳の風情に、お国柄を感じる。自然に囲まれた環境好きは「子供のときに出来上がった基準やないかしら」とハンソンさんは言う。ラジオ体操はいつまで続くのかしら。(BCN社長・奥田喜久男)
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