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家系図には標準仕様があった

2008/07/21 15:37

週刊BCN 2008年07月21日vol.1244掲載

 欧米では家系図が趣味として認知されているという。ユタ系図協会という非営利団体があり、系図の登録は10億件を超えるといわれている。

 パワーウィングスの八木大造取締役によると、わが国では、江戸時代にお寺が該当地域に住む人を記帳していた宗門人別帳というのが戸籍のはじまりだとか。だが、宗門人別帳が明治の戸籍法に取って代わった際に、系図の8割方が行方不明になってしまったそうだ。ここへきて、日本でも家系図ブームが訪れる兆しがある。インターネット上で家系図を作成できる「ネットde家系図」というサービスが生まれたからだ。

 米国ではすでに家系図を活用したインターネット上のサービスも珍しくなく、物販やSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)などと組み合わせたさまざまな展開が試みられている。なかにはいろんなサイトを訪問して自分の家系図を作成するユーザーもいるそうで、ニーズにあわせて家系図づくりを楽しんでいる姿がうかがい知れる。だが、各サイトを利用するつど系図を登録していくのは面倒ではないだろうか。その心配は無用。家系図作成サービスにはユタ系図協会が作成した「GEDCOM」DB標準仕様があり、サービス間でインポート/エクスポートが自在にできる。

 家系図といえば古きを大切にするというイメージがあるが、バックヤードの技術は意外に先進的なのである。(環)
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