立ち話

ターボリナックス

2008/06/30 19:47

週刊BCN 2008年06月30日vol.1241掲載

 ターボリナックスは6月上旬、クライアント向けLinuxの新版OS「Turbolinux Client 2008」を発表した。サーバー向けLinuxは順調に普及しているが、クライアント向けは依然Windowsが圧倒的に強い。Linuxは足元にも及んでいず、ビジネス環境は厳しい。それでもターボリナックスは、クライアント向け製品にこだわり続けている。

 新版では、アプリケーション画面を3D表示できたり、セキュリティ対策向上のためにセキュアOSを搭載したりとさまざまな工夫を凝らしている。OSのコア部分をフランスのLinuxディストリビュータであるマンドリーバと共同開発する新たな取り組みも始めた。

 新版発表会見に登場した矢野広一社長は、「(ビジネスだけを考えれば)クライアント向け製品の開発をやめるという選択肢があるかもしれない。でも、当社はやめない」と断言した。その理由を「1からクライアント向けLinuxをつくる唯一のディストリビュータとしての使命感。クライアントLinuxの灯を消したくない」と、力強く言及した。

 とはいえ、Windowsの牙城を崩すのは並大抵ではない。巨人を倒すために、ターボリナックスの“孤独”で厳しい戦いは続きそうだ。
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