旅の蜃気楼
NY911がもたらした“仲間意識”
2008/04/07 15:38
週刊BCN 2008年04月07日vol.1230掲載
▼仲間というのはいいものだ。ひとつの出来事を共有しているから理解が早い。江戸一の記事を懐かしがってメールをくれた方は、ニューヨークで2001年に起きたNY911を現場で一緒に体験した仲間だ。あまりにも強烈な出来事だったものだから、帰国以来、年に2回、定期的に集まっている。お酒を飲みながら近況と体験話を混ぜこぜにしながら、お互いの健康を気遣う会だ。米国行きは社会経済生産性本部が企画した「米国ネット取引・金融IT等ビジネスモデル研究調査団」と称する研修ツアーだった。メンバーは19名。9月9日、マンハッタンに到着し、世界貿易センタービル(WTC)の前をバスで通過して、タイムズスクエアにあるルネッサンス・ホテルに投宿した。翌日から企業訪問の研修が始まった。
▼研修ツアーの一行は名だたる企業の幹部候補生だ。それぞれの思いを抱いて臨んだ。11日の午前9時、バスでウォール街に向けて出発した。五番街の交差点でバスが急停車。前方に、煙が立ちのぼる2棟の高層ビルが…。われわれは身を乗り出して、WTCを見た。その瞬間から一行は“仲間”になった。予期せぬ出来事と遭遇して帰国した仲間はさっそく、メーリングリストを作った。江戸一メールもそのひとつだ。ジェーピー情報センターの岩澤仁さんとは、またひとつ共通の思い出を持った。仲間とはいいものだ。(BCN社長・奥田喜久男)
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