立ち話

アイティフォー 須賀井孝夫社長

2008/01/21 19:47

週刊BCN 2008年01月21日vol.1219掲載

 顧客企業の要望に沿って個別に開発するカスタムソフトこそ、付加価値が高いはずなのに──。SIerのアイティフォー・須賀井孝夫社長は、かねてからカスタムソフトの粗利益の低さに疑問を抱いてきた。

 売れ筋のパッケージソフトを持つISVは、年商は大手SIerに及ばなくても粗利率は高い。勘定奉行で有名なオービックビジネスコンサルタント(OBC)の粗利率は80%近くもある。これに対して「われわれSIerの粗利率は低い」と嘆く。ソフト・サービスのパッケージ化を進め、SI業界の平均を上回る粗利率の同社でさえ、今期(08年3月期)は連結ベースで38%の見通し。

 パッケージソフトは先行投資型のビジネスであることから、ハイリスク・ハイリターンの範ちゅうに入るだろう。ならばカスタムソフトはローリスク・ローリターンなのか。いや、不採算プロジェクトが後を絶たないことを考えると、現状ではミドルリスク・ローリターンと言わざるを得ない。

 「カスタムソフトは本来、粗利50%をいただいてもいいくらい」。カスタマイズするとメンテナンスもオーダーメイドになるため、その分、付加価値が高いはず。「ただ、これを顧客に進言しても、まずケンカ別れになると思うが…」と渋い表情。心の底では改革の必要性を痛感しているようだ。
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