北斗七星

北斗七星 2007年12月17日付 Vol.1216

2007/12/17 15:38

週刊BCN 2007年12月17日vol.1216掲載

▼緑色の罫線が印刷された用紙が配られる。扶養控除等申告書と保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書だ。今年も年末調整の時期がやってきた。サラリーマン諸氏にとっては還付金が愉しみとはいえ、特別減税の廃止などで還付される金額も乏しいとなれば、チョット一杯も今夜はやめておきますか?

▼経理の部員から「まだですか~?」と叱られるのだが、よく考えると自分の税金のことでなぜ経理からうるさく言われなければならないのか。会社で年末調整をしなくても、個人で確定申告したって法律に違反するわけじゃない。それに来年3月15日までにネットで申告すれば、5000円が税額控除される。

▼確定申告、それが本来の申告納税の姿なのだ。会社が従業員の給与から所得税や住民税を天引きすることも、実はおかしい。間違っているとは言わないが、所得税、住民税はつとめて個人的なことで、考えようによってはプライバシーの侵害にもなりかねない。

▼社員の住居や子どもの養育などを会社が面倒をみた古きよき慣習をいいことに、国は全国6000万人の給与生活者の税金徴収業務を企業に肩代わりさせている。ITが発達したこの時代に、いつまで旧弊が続くのか。全員が確定申告をするようになれば、e─TAXの利用率も上がるはず。専用ソフトの新バージョンが毎年売れ、ASPの確実な市場になる。「世界最先端のIT国家」で、いまだに緑色の紙が配られているのは、何とも不可思議な光景ではある。
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