Letters from the World

ソーシャル世界の覇権争い

2007/11/19 15:37

週刊BCN 2007年11月19日vol.1212掲載

 今年の最注目企業はFacebookであることは間違いない。5月に自社プラットフォームのAPIを公開してアプリ開発ブームを先導、10月末にはマイクロソフトから2億4000万ドルの投資を調達、数字の上では時価総額15億ドルで米ネット関連の第5位となった。

 飛ぶ鳥を落とす勢いのFacebookに、さらにオープンなSNS新プラットフォームで対抗したのがグーグルだ。かねてから噂だったOpenSocial構想を11月初頭に発表し、Facebookを脅威と感じていた世界最大手のMySpaceやSixApart、Ningなど他のSNS陣営を味方につけて外堀を固め、たった2日で「Facebook対その他の連合軍」に形勢を逆転させた。

 Facebookの資産は膨大な個人情報と会員相互のつながり。これをベースに広告が出せたら最強の金脈になる。そこで同社もソーシャル広告戦略を発表したのだが、広告が嫌でSNSに逃げ込んでいた人たちから早くもブーイングが・・・。SNSは私的空間だけにターゲットし過ぎても客が逃げてしまう。金塊が目の前にあるのに手が出せないというようなジレンマがあるのかも。ソーシャル世界を二分する戦いは、まだまだこれからだ。(サンフランシスコ発)
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