旅の蜃気楼

アルゼンチンの“秋葉原”探訪

2007/10/29 15:38

週刊BCN 2007年10月29日vol.1209掲載

【ブエノスアイレス発】前回はアルゼンチンの文化にちょっぴり触れた。今回は現地のPC事情について書こうと思う。

▼運よくホテルの裏にPCショップ街があったのでのぞいてみる。5-6坪程度の小さな店が50以上軒を連ね、ガレリアと呼ばれるショッピングモールを形成している。DIYPCが多く、PCに関するものなら何でも揃う光景はさながら秋葉原のよう。ただし日本のショップとは違い、マザーボードやグラフィックボードはボード屋、ネットワーク系ならネットワーク屋と、その専門分野の商品しか置いていない。私はホテルで使用するLANケーブルを探していたのだが、ボード屋しか開いておらず結局諦めざるを得なかった。日本ならほとんどの店で置いてあるというのに!ある店でアルゼンチンの自作PC市場についていくつか質問を試みた。「マザーボードはASUSが非常に人気があり、うちの店では6割以上の客がそれを選ぶ。残りの3割はMSI、最後の1割がその他だ」。店員さんはあまり英語が話せなかったのでそこにいたお客がかわりに答えてくれた。ガレリア全体の客の入りもよく、自作PC市場は安定した需要があるようだ。

▼次に訪れたのは高級住宅地として名高いレコレータ地区にあるチェーン店。日本とは陳列が違うものの、PCはもちろん周辺機器、サプライ品まで揃う総合店というスタイルに親近感がわく。店員さんに話しかけ、ブエノスアイレスのPC市場について尋ねる。売れ筋はアルゼンチンのメーカー「BANGHO」のノートと「VITSUBA」のデスクトップだ。ノートとデスクトップの販売比率はほぼ半々。日本製も置いてあったが、アルゼンチンのメーカーのほうが価格が安く、地元の人々は手を出しやすいみたいだ。

▼10分も歩けばPCショップがあり、無線LANを設置したホテルも多いブエノスアイレスは、IT業界人に非常にお勧めの都市──と書いたものの、休暇中くらいPCから離れたいですよね。(BCNランキング営業グループ・佐伯太郎)

 ブエノスアイレスにも秋葉原があった。異国を訪れて共通性を感じると、親近感が膨れ上がる。人に親しくされると、「この街は好きだ」となる。秋葉原で外国人旅行者を見かけたら、親しくしよう。(BCN社長 奥田喜久男)
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