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今年は地味な“お祭り商材”

2007/09/24 15:37

週刊BCN 2007年09月24日vol.1204掲載

 毎年9月から10月上旬までの期間は、個人向けセキュリティソフトの新版を各社が発表する時期。主要メーカーは大規模な記者会見を開き、新機能・新技術をこだわりの演出で披露する。

 タレントやキャンペーンガールを招いて商品を持たせて写真撮影を行ったり、ウイルス感染したPCを使い、ユーザーが実際に解決する操作を、ドラマ仕立てにして説明したり。法人向け製品の発表とは違った華やかな仕掛けが多いので、記者はお祭り商材と呼んでいる。

 しかし、今年は各メーカー共通してどことなく地味。タレントを使うメーカーはなく、昨年は有名ホテルの宴会場を使って開催したメーカーは、今年は社内セミナー室で行うなど、お祭りムードが乏しい印象を持った。某メーカーの幹部に「今年は地味だし淡白ですね」と、感じたままの印象を問いにして投げかけたら、「原点に立ち返ってシンプルに」との答えが返ってきた。

 昨年から今年にかけて大きなウイルス被害がないためか、市場全体の成長は例年に比べて多少鈍化している。各社とも発表した技術・機能は「強化」が多く、「新」が少ない。どのメーカーもアピールに苦心しているように感じた。

 ネタに乏しいなか、どのようなプロモーションを仕掛けてくるか。PRできる要素が多くないだけに、各社のマーケティング部隊の手腕が問われることになる。(鈎)
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